免許取得・更新時にする視力検査って?
運転免許の取得・更新(書き換え)時には、適性検査として視力の測定をおこないます。合格の基準は免許の種類によって違っています。しっかり確認しておきましょう。
裸眼で合格基準に達していない場合でも、眼鏡(メガネ)やコンタクトレンズを使って視力を矯正して合格基準に達していれば合格となります。
免許を取得する時も更新をする時も、視力検査の内容は変わりません。このページでは免許を更新するケースをもとに説明します。
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どんな視力検査をするの?
運転免許更新時に行われる視力検査には2種類あります。どんな種類の運転免許を更新する際にも行われるのが、ランドルト環による視力検査です。
健康診断でお馴染みの、円が欠けている部分を答えるものです。「C」のように見えるものですね。
また、中型、大型、第二種免許等になると、ランドルト環を使った検査の他に、三桿法(さんかんほう)を用いた、深視力の検査が追加されます。
ランドルト環による検査
健康診断などでおこなわれる視力検査と同様に、環の切れた方向がどの方向かを伝えることで測定を行います。免許センターによっては、ひらがなを読ませるところもあります。
検査は、両目、右目、左目の3つで行われ、例えば、普通自動車免許の更新の場合、視力基準である両目で0.7、片目で0.3くらいのランドルト環から始まります。
普通免許の取得や更新の方は、ランドルト環による検査に合格すれば検査終了です。
三桿法(さんかんほう)による深視力検査
大型第一種免許・中型第一種免許(限定なし)・けん引免許・第二種免許の免許を取得・更新する人は、深視力検査も受ける必要があります。
深視力とは、遠近感や立体感を正しく把握する能力のことで、視力の良し悪しにはあまり関係ありません。
視力が悪くても合格出来ますし、視力が良くても遠近感をつかむのが苦手な人は、免許の更新ができない可能性があります。
具体的なやり方を説明します。
- 深視力検査器の中を見ると画面の奥側に3本の縦棒が見えます。
- この3本の内、真ん中の棒が奥から手前、手前から奥に移動します。
- この真ん中の棒が、ちょうど両端の2本の棒と同じ位置に来た時にボタンを押します。
これが三桿法(さんかんほう)による深視力検査です。
この検査を3回行い、平均誤差が2センチ以内であれば合格になります。
免許の種類ごとの視力検査の合格基準って?
運転免許の種類によって、視力検査の合格の基準が違います。
<免許種類別 視力早見表>
普通第一種免許 | ・両目(両眼)で0.7以上 ・かつ、片目(片眼)でそれぞれ0.3以上 |
中型第一種免許 (8t限定中型) |
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二輪免許 | |
大型特殊免許 | |
原付免許 | ・両眼で0.5以上 |
小型特殊免許 | |
大型第一種免許 | ・両眼で0.8以上 ・かつ、片目がそれぞれ0.5以上 ・さらに深視力として三桿法(さんかんほう)の 奥行知覚検査器により 3回検査した平均誤差が2センチ以内 |
中型第一種免許 (限定なし) |
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けん引免許 | |
第二種免許 |
普通第一種免許、準中型免許、中型第一種免許(8t限定中型)、二輪免許、大型特殊免許更新の場合
両目(両眼)で0.7以上、かつ、片目(片眼)でそれぞれ0.3以上、または片眼の視力が0.3に満たない方、もしくは片眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上が、視力検査の合格基準になります。
原付免許、小型特殊免許更新の場合
両眼で0.5以上、または片眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上が、視力検査の合格基準になります。
大型第一種免許、中型第一種免許(限定なし)や、けん引免許、第二種免許更新の場合
両眼で0.8以上で、かつ、片目がそれぞれ0.5以上、さらに、深視力として、三桿法(さんかんほう)の奥行知覚検査器により3回検査した平均誤差が2センチ以内が、視力検査の合格基準になります。
コンタクトレンズ使用の申告は忘れずに
視力検査を受ける前に、コンタクトレンズや眼鏡を使用している人は申し出るようにしましょう。
レーシック(視力回復手術)を受けている人は、裸眼と同じ扱いになります。コンタクトレンズを使っているのに、裸眼と申請する事のないように注意して下さい。
コンタクトレンズや眼鏡を使用して視力検査を受けた場合は、免許証に「眼鏡等」と記載されます。
視力検査に不合格だったらどうなるの?
不合格になったら再検査を受けましょう
視力検査に不合格になった場合は、当日に再検査をするか後日改めて検査をすることになります。免許証の有効期限内に合格できないと、免許が失効してしまうので注意が必要です。
なお、免許の更新期限ギリギリで視力検査で不合格になった場合には、更新期限以降に少し猶予期間を持たせた受け直し期限のスタンプが押されます。受け直し期間内に再検査を受けるようにしましょう。
深視力検査に落ちたらどうなるの?
通常の視力検査と同じように、深視力検査に不合格の場合にも当日の再検査を受けるか、後日改めて検査を受けることになります。
免許証の有効期限内に合格できないと免許が更新されず、大型及び中型免許の場合は資格が取り消しになります。そして格下げ処分を受けて、普通免許と同じ扱いになってしまいます。
検査に不合格だったら支払った手数料はどうなるの?
視力検査で不合格になった場合には、手数料を収めた時にもらった「証紙を貼られた申請書」を返してもらうことができます。
次回の視力検査の時に、一度返してもらった申請書を使うことができます。二度免許更新の手数料がかかるということはありません。
視力検査前、直前に効く視力アップの方法・コツって?
運転免許更新の待ち時間に、簡単に視力をアップさせる方法やコツがあります。
あくまでも一時的なものですが、無事免許を更新できる可能性が高くなるので試してみるといいでしょう。
1.スマホを見ない
スマートフォンをずっとみていると、目の周りの筋肉が固まってピントがあわなくなったり、目が疲れて視力が低下します。
視力検査前にスマホを見続けるのは避けましょう。
2.目の周辺にあるツボを押す
目と目の間、目頭の位置にある「清明(せいめい)」というツボを、親指と人差指でつまむように押します。これを3回繰り返します。
時間をあけて何回かツボを押すと効果的です。
3.遠くの物を見る
遠い位置にある看板の文字などを10~20秒間意識して見つめるます。その後少し休んで近くのものを見ます。これを3回繰り返します。
遠くをみると目の周りの普段使わない筋肉が使われ、固まっていた筋肉が少しほぐれます。
4.眼球トレーニング
- 目を5秒間強く閉じます
- 目を開き、眼球だけ動かして上の方を10秒間凝視する
- 再び目を5秒間強く閉じます
- 2)を下、左、右と繰り返す
この方法も目の周りの筋肉をほぐすトレーニングです。
視力に不安がある人はあらかじめ準備を
裸眼の状態で視力検査をうけて不合格になってしまった場合、眼鏡かコンタクトレンズを作って改めて検査をうけなくてはなりません。
また元々メガネやコンタクトレンズを使用している人も「最近メガネをかけても見えないな」「コンタクトレンズがあわないな」と感じる人は、視力検査を受けて不合格になってしまった後に眼鏡やコンタクトを作り直す必要が出てきます。
新しいメガネやコンタクトレンズが免許の更新期間中に間に合わないと、最悪の場合免許を失効してしまう可能性があります。
視力に不安のある方は、あらかじめ眼科の病院かメガネストアなどで視力を測定し、自分の視力に合った眼鏡かコンタクトレンズを作っておくことをオススメします。
視力が回復したら限定解除申請を
視力回復の方法として、最近レーシックが増えてきています。
眼鏡をかけた状態で免許を取得・更新し、その後レーシックなどで視力が回復したとしても、免許証に「眼鏡等」の記載が残っている場合、眼鏡やコンタクトレンズを装着せず運転をしていると条件違反となってしまいます。
条件違反で捕まってしまった場合、罰則で2点が加点された上に、罰金として普通車で7,000円・二輪車で6,000円・原付で5,000円を払わなくてはなりません。
免許証から「眼鏡等」の条件を外すためには、免許センターなどで限定解除の申請を行わなければなりません。
限定解除申請の手続きとしては、免許センターの窓口で運転免許証と申請書を提出し視力検査を受けることになります。
視力検査に合格すると免許証の裏に「眼鏡等条件解除」と記載され、次回の更新時に「眼鏡等」の記載がなくなります。
そもそも運転中の視野ってどうなってるの?
車を運転している時の周囲の情報は、ほとんどが目(視覚)から得られるものになります。
ドライバーの視野は、視線の中心に位置する「中心視野」と、その周辺でぼんやりと見える「周辺視野」から構成されていています。
中心視野の領域では細かな物の動きをとらえていて、周辺視野の領域では路面や景色などの流れをとらえています。
走行スピードによって視野が変わる?
車の走行スピードが上がると、ドライバーの視野は狭くなります。
40km/hで走行した場合、ドライバーは100度の範囲で視野があるので路肩の障害物など危険性を判断することができます。
しかし130km/hで走行すると、視野が30度の範囲までせまくなってしまうため、周囲の危険に気がつきにくくなってしまいます。
運転するときに重要な役割を持つ視覚情報をきちんと把握するためにも、視力検査をしっかりやって安全に運転できるように心がけましょう。
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